「日本の滝百選」というくらいだから、選ばれている滝は100本。
そう思いますよね。
ところが、日本の滝百選を一つずつ調べてみると、実は「100選=100本」ではありませんでした。
1本の滝だけで1選になっているものもあれば、複数の滝をまとめて1選としているもの、さらには数多くの滝が連なる「滝群」まで含まれています。
そこで今回は、日本の滝百選に含まれる滝をあらためて調査。
すると――
名前が確認できる滝だけでも160本以上!
しかも、これで全部ではありません。
これはどういうことなのか?詳しく見ていきましょう。
日本の滝百選に選ばれた100選については、所在地・落差・滝幅・段数などを一覧にまとめています。
→ 日本の滝百選一覧|都道府県・落差・滝幅・段数を徹底調査!
なぜ「百選」なのに100本じゃない?
まず知っておきたいのが、日本の滝百選の「100」という数字。
これは必ずしも100本の滝を意味しているわけではありません。
例えば北海道の「流星・銀河の滝」は、
- 流星の滝
- 銀河の滝
という2本の滝で1選。
長野県の「米子大瀑布」も、
- 不動滝
- 権現滝
という2本の滝で構成されています。
兵庫県神戸市の「布引の滝」に至っては、
- 雄滝
- 夫婦滝
- 鼓ヶ滝
- 雌滝
という4つの滝の総称です。神戸市も布引の滝を4つの滝の総称として紹介しています。
🔗 出典:神戸市ホームページ
つまり、日本の滝百選とは、
100本の滝を選んだものではなく、100の「選定対象」を選んだもの
と考えると分かりやすいんです。
名前が確認できる滝だけでも160本以上!
では、その100選の中に実際にはどれくらいの滝があるのでしょうか。
今回、日本の滝百選をあらためて調べ、自治体や観光協会などの資料を中心に、個別に名前を確認できる滝を拾ってみました。
その結果――
名前が確認できる滝だけでも160本以上!
個別の名前が確認できない滝や、正確な本数そのものを決められない滝群もあり、「百選の滝は全部で○本」と断定するのは非常に困難。
そこで思いついたのが、「滝名」が確認できる滝だけを数えてみるという方法。
それでも160本以上!
予想以上の数になりましたが、実際にはさらに多くの滝が百選に含まれています。
1選で10本!「龍頭八重滝」
中でも面白いのが、島根県の「龍頭八重滝」。
「龍頭が滝」と「八重滝」という2つの滝群が、日本の滝百選では一つの選定対象になっています。
「龍頭が滝」には、
- 雄滝
- 雌滝
の2本。雲南市も「龍頭が滝」を落差40mの雄滝と30mの雌滝からなる名瀑と紹介しています。
そして八重滝には、
- 猿飛滝
- 滝尻滝
- 紅葉滝
- 河鹿滝
- 姥滝
- 姫滝
- 八塩滝
- 八汐滝
の8本があります。
🔗 出典:雲南市ホームページ
つまり、
2本+8本=10本!
「日本の滝百選」の1選の中に、名前の付いた滝が10本も含まれていたりするんです。
「赤目四十八滝」は本当に48本?
名前からして気になるのが、三重県の「赤目四十八滝」。
「四十八滝」というくらいだから、
48本あるの?
と思ってしまいますよね?
ところが、この「四十八」は単純に滝の本数を表したものではありません。
赤目四十八滝の公式サイトでは、約3.3kmの渓谷に「名の有る滝だけで、滝壺を含めて23瀑」あると案内されています。
🔗 出典:忍者修行の里 赤目四十八滝
つまり、
赤目四十八滝=48本
として数えるのはNG。
「七ツ」「四十八」「九十九」など、数字が本数っぽい名前の滝もありますが、名前の数字=実際の滝の本数とは限らないので注意です。
「段数」と「滝の本数」も別!
もう一つ注意したのが、滝の「段数」です。
1本の滝が何段にも分かれて流れ落ちていることがあります。
しかし、
7段の滝=7本の滝
ではありません。
今回の調査では、
段数と滝の本数は別物
として扱っています。
一つひとつが独立した滝として確認できるものと、1本の滝が複数段になっているものを区別しています。
「全部で何本?」には答えられない滝も!
では、日本の滝百選に含まれる滝を全部数えれば、最終的に「○○本」と出せるのでしょうか。
実は、これができません。
その代表例が長野県の「田立の滝」です。
南木曽町観光協会によると、田立の滝は、
- うるう滝
- らせん滝
- 洗心滝
- 霧ヶ滝
- 天河滝
- 不動滝
- そうめん滝
など、大滝川の峡谷にかかる「無数の瀑布」の総称。
🔗 出典:南木曽町観光協会
つまり、名前が確認できる滝以外にも滝が存在します。
こうした滝群が日本の滝百選には含まれているため、
「日本の滝百選には全部で○本の滝がある」
と1本単位で確定することはできません。
複数の滝で構成される「日本の滝百選」
代表的なものをまとめてみました。
| 日本の滝百選 | 確認できる構成 | 主な滝 |
|---|---|---|
| 赤目四十八滝(三重県) | 23瀑※ | 不動滝、千手滝、布曳滝、荷担滝、琵琶滝など |
| 龍頭八重滝(島根県) | 10本 | 龍頭が滝2本+八重滝8本 |
| 八ツ淵の滝(滋賀県) | 8本 | 七遍返し淵、貴船ヶ淵など |
| 田立の滝(長野県) | 少なくとも7名称 | うるう滝、らせん滝、洗心滝、霧ヶ滝、天河滝、不動滝、そうめん滝、など |
| 寂地峡五竜の滝(山口県) | 5本 | 竜尾、登竜、白竜、竜門、竜頭 |
| 布引の滝(兵庫県) | 4本 | 雄滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、雌滝 |
| 金引の滝(京都府) | 3本 | 金引の滝、白龍の滝、臥龍の滝 |
| 鹿目の滝(熊本県) | 3本 | 雄滝、雌滝、平滝 |
| 米子大瀑布(長野県) | 2本 | 不動滝、権現滝 |
| 流星・銀河の滝(北海道) | 2本 | 流星の滝、銀河の滝 |
| 白糸・音止めの滝(静岡県) | 2本 | 白糸の滝、音止めの滝 |
| 壇鏡の滝(島根県) | 2本 | 雄滝、雌滝 |
| 震動の滝(大分県) | 2本 | 雄滝、雌滝 |
※赤目四十八滝は公式サイトが「名の有る滝だけで、滝壺を含めて23瀑」としているため、ほかの項目とは数え方が完全には一致しません。
🔗 出典:忍者修行の里 赤目四十八滝
結論|日本の滝百選は100本じゃなかった!
今回、日本の滝百選を「何本の滝があるのか?」という視点で調べてみたところ、
日本の滝百選=100本ではありませんでした!
さらに個別に調べていくと、
名前が確認できる滝だけでも160本以上!
そして、田立の滝のように「無数の瀑布」とされる滝群もあるため、実際に存在する滝の数はさらに多いことになります。
日本の滝百選の「100」は、滝の本数ではなく100の選定対象。
「百選=100本」と思って調べ始めましたが、結果は160本以上。
日本の滝百選、名前以上にスケールの大きな「百選」でした!
今回の集計について
本記事は、当サイトで作成した「日本の滝百選一覧」の調査データをもとに、自治体・観光協会などの公式・公的資料で個別に名称を確認できた滝を再集計しています。
1本の滝が複数段に分かれている場合は、段数を滝の本数として数えていません。また、滝群などで個々の名称が確認できない滝は集計に含めていません。
そのため、本文中の「160本以上」は日本の滝百選に含まれる滝の総数ではなく、今回の調査で名称を確認できた滝の最低数です。実際には、これを上回る滝が含まれていると考えられます。
